あつと云ひながら、その袖を振つて、逐ひ払はうとする所を、耳木兎は蓋にかかつて、嘴を鳴らしながら、又一突き――弟子は師匠の前も忘れて、立つては防ぎ、坐つては逐ひ、思はず狭い部屋の中を、あちらこちらと逃げ惑ひました。
怪鳥も元よりそれにつれて、高く低く翔りながら、隙さへあれば驀地に眼を目がけて飛んで来ます。
その度にばさ/\と、凄じく翼を鳴すのが、落葉の匂だか、滝の水沫とも或は又猿酒の饐ゑたいきれだか何やら怪しげなものゝけはひを誘つて、気味の悪さと云つたらございません。
あつと云ひながら、その袖を振つて、逐ひ払はうとする所を、耳木兎は蓋にかかつて、嘴を鳴らしながら、又一突き――弟子は師匠の前も忘れて、立つては防ぎ、坐つては逐ひ、思はず狭い部屋の中を、あちらこちらと逃げ惑ひました。
怪鳥も元よりそれにつれて、高く低く翔りながら、隙さへあれば驀地に眼を目がけて飛んで来ます。
その度にばさ/\と、凄じく翼を鳴すのが、落葉の匂だか、滝の水沫とも或は又猿酒の饐ゑたいきれだか何やら怪しげなものゝけはひを誘つて、気味の悪さと云つたらございません。