いや、それよりも一層身の毛がよだつたのは、師匠の良秀がその騒ぎを冷然と眺めながら、徐に紙を展べ筆を舐つて、女のやうな少年が異形な鳥に虐まれる、物凄い有様を写してゐた事でございます。
弟子は一目それを見ますと、忽ち云ひやうのない恐ろしさに脅かされて、実際一時は師匠の為に、殺されるのではないかとさへ、思つたと申して居りました。
十一
いや、それよりも一層身の毛がよだつたのは、師匠の良秀がその騒ぎを冷然と眺めながら、徐に紙を展べ筆を舐つて、女のやうな少年が異形な鳥に虐まれる、物凄い有様を写してゐた事でございます。
弟子は一目それを見ますと、忽ち云ひやうのない恐ろしさに脅かされて、実際一時は師匠の為に、殺されるのではないかとさへ、思つたと申して居りました。
十一