私は思はず頸を反らせて、その爪にかけられまいとする、猿は又水干の袖にかじりついて、私の体から辷り落ちまいとする、――その拍子に、私はわれ知らず二足三足よろめいて、その遣り戸へ後ざまに、したゝか私の体を打ちつけました。
かうなつてはもう一刻も躊躇してゐる場合ではございません。
私は矢庭に遣り戸を開け放して、月明りのとどかない奥の方へ跳りこまうと致しました。
私は思はず頸を反らせて、その爪にかけられまいとする、猿は又水干の袖にかじりついて、私の体から辷り落ちまいとする、――その拍子に、私はわれ知らず二足三足よろめいて、その遣り戸へ後ざまに、したゝか私の体を打ちつけました。
かうなつてはもう一刻も躊躇してゐる場合ではございません。
私は矢庭に遣り戸を開け放して、月明りのとどかない奥の方へ跳りこまうと致しました。