――私は遣り戸に身を支へて、この月明りの中にゐる美しい娘の姿を眺めながら、慌しく遠のいて行くもう一人の足音を、指させるものゝやうに指さして、誰ですと静に眼で尋ねました。
すると娘は唇を噛みながら、黙つて首をふりました。
その容子が如何にも亦、口惜しさうなのでございます。
――私は遣り戸に身を支へて、この月明りの中にゐる美しい娘の姿を眺めながら、慌しく遠のいて行くもう一人の足音を、指させるものゝやうに指さして、誰ですと静に眼で尋ねました。
すると娘は唇を噛みながら、黙つて首をふりました。
その容子が如何にも亦、口惜しさうなのでございます。