しかしかう仰有る大殿様の御声には、何故か妙に力の無い、張合のぬけた所がございました。
「いえ、それが一向目出度くはござりませぬ。
良秀は、稍腹立しさうな容子で、ぢつと眼を伏せながら、「あらましは出来上りましたが、唯一つ、今以て私には描けぬ所がございまする。
しかしかう仰有る大殿様の御声には、何故か妙に力の無い、張合のぬけた所がございました。
「いえ、それが一向目出度くはござりませぬ。
良秀は、稍腹立しさうな容子で、ぢつと眼を伏せながら、「あらましは出来上りましたが、唯一つ、今以て私には描けぬ所がございまする。