芥川龍之介 『十円札』 じゃまた、――御勉強中失礼でした。 粟野さんはどちらかと言えば借金を断られた人のように、十円札をポケットへ収めるが早いか、そこそこ辞書や参考書の並んだ書棚の向うへ退却した。 あとにはまた力のない、どこかかすかに汗ばんだ沈黙ばかり残っている。 芥川龍之介の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア