芥川龍之介 『影』 ……電燈を消した二階の寝室には、かすかな香水の匀のする薄暗がりが拡がっている。 ただ窓掛けを引かない窓だけが、ぼんやり明るんで見えるのは、月が出ているからに違いない。 現にその光を浴びた房子は、独り窓の側に佇みながら、眼の下の松林を眺めている。 芥川龍之介の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア