羅馬の大本山、リスポアの港、羅面琴の音、巴旦杏の味、「御主、わがアニマ(霊魂)の鏡」の歌――そう云う思い出はいつのまにか、この紅毛の沙門の心へ、懐郷の悲しみを運んで来た。
彼はその悲しみを払うために、そっと泥烏須(神)の御名を唱えた。
が、悲しみは消えないばかりか、前よりは一層彼の胸へ、重苦しい空気を拡げ出した。
羅馬の大本山、リスポアの港、羅面琴の音、巴旦杏の味、「御主、わがアニマ(霊魂)の鏡」の歌――そう云う思い出はいつのまにか、この紅毛の沙門の心へ、懐郷の悲しみを運んで来た。
彼はその悲しみを払うために、そっと泥烏須(神)の御名を唱えた。
が、悲しみは消えないばかりか、前よりは一層彼の胸へ、重苦しい空気を拡げ出した。