明日にもわからない大病の師匠を看護しながら、その容態をでも心配する事か、徒に自分の骨折ぶりを満足の眼で眺めてゐる。
――これは確に、彼の如き正直者の身にとつて、自ら疚しい心もちだつたのに違ひない。
それ以来去来は何をするのにも、この満足と悔恨との扞挌から、自然と或程度の掣肘を感じ出した。
明日にもわからない大病の師匠を看護しながら、その容態をでも心配する事か、徒に自分の骨折ぶりを満足の眼で眺めてゐる。
――これは確に、彼の如き正直者の身にとつて、自ら疚しい心もちだつたのに違ひない。
それ以来去来は何をするのにも、この満足と悔恨との扞挌から、自然と或程度の掣肘を感じ出した。