が、一方また豪傑肌の所もあって、日夜杯に親みながらさらに黄白を意としなかった。
「天雲の上をかけるも谷水をわたるも鶴のつとめなりけり」――こう自ら歌ったほど、彼の薬を請うものは、上は一藩の老職から、下は露命も繋ぎ難い乞食非人にまで及んでいた。
蘭袋は甚太夫の脈をとって見るまでもなく、痢病と云う見立てを下した。
が、一方また豪傑肌の所もあって、日夜杯に親みながらさらに黄白を意としなかった。
「天雲の上をかけるも谷水をわたるも鶴のつとめなりけり」――こう自ら歌ったほど、彼の薬を請うものは、上は一藩の老職から、下は露命も繋ぎ難い乞食非人にまで及んでいた。
蘭袋は甚太夫の脈をとって見るまでもなく、痢病と云う見立てを下した。