自ら蜂巣を破れる入道相国と雖も、焉ぞ奔命に疲れざるを得むや。
時人謡ひて曰く「咲きつゞく花の都をふりすてて、風ふく原の末ぞあやふき」と、然り真に「風ふく原の末ぞ」あやふかりき。
平氏は、福原の遷都を、掉尾の飛躍として、治承より養和に、養和より寿永に、寿永より元暦に、天暦より文治に、円石を万仞の峰頭より転ずるが如く、刻々亡滅の深淵に向つて走りたりき。
自ら蜂巣を破れる入道相国と雖も、焉ぞ奔命に疲れざるを得むや。
時人謡ひて曰く「咲きつゞく花の都をふりすてて、風ふく原の末ぞあやふき」と、然り真に「風ふく原の末ぞ」あやふかりき。
平氏は、福原の遷都を、掉尾の飛躍として、治承より養和に、養和より寿永に、寿永より元暦に、天暦より文治に、円石を万仞の峰頭より転ずるが如く、刻々亡滅の深淵に向つて走りたりき。