時に義仲の騎来り報じて曰「東軍既に木幡伏見に至る」と。
彼、事愈〻危きを知り、遂に一百の革命軍を従へて、決然として西洞院の第を出でぬ。
赤地の錦の直垂に唐綾縅の鎧きて、鍬形うつたる兜の緒をしめ、重籐の弓のたゞ中とつて、葦毛の駒の逞しきに金覆輪の鞍置いて跨つたる、雄風凛然、四辺を払つて、蹄声戞々、東に出づれば、東軍の旗幟既に雲霞の如く、七条八条法性寺柳原の天を掩ひ戦鼓を打ちて閧をつくる、声地を振つて震雷の如し。
時に義仲の騎来り報じて曰「東軍既に木幡伏見に至る」と。
彼、事愈〻危きを知り、遂に一百の革命軍を従へて、決然として西洞院の第を出でぬ。
赤地の錦の直垂に唐綾縅の鎧きて、鍬形うつたる兜の緒をしめ、重籐の弓のたゞ中とつて、葦毛の駒の逞しきに金覆輪の鞍置いて跨つたる、雄風凛然、四辺を払つて、蹄声戞々、東に出づれば、東軍の旗幟既に雲霞の如く、七条八条法性寺柳原の天を掩ひ戦鼓を打ちて閧をつくる、声地を振つて震雷の如し。