時実に寿永三年正月二十日、粟津原頭、黄茅蕭条として日色淡きこと夢の如く、疎林遠うして落葉紛々、疲馬頻に嘶いて悲風面をふき、大旗空しく飜つて哀涙袂を沾す。
嘗て、木曾三千の健児に擁せられて、北陸七州を巻く事席の如く、長策をふるつて天下を麾ける往年の雄姿、今はた、何処にかある。
嘗て三色旗を陣頭に飜して加能以西平軍を破ること、疾風の枯葉を払ふが如く、緋甲星兜、揚々として洛陽に入れる往年の得意、今、はた、何処にかある。
時実に寿永三年正月二十日、粟津原頭、黄茅蕭条として日色淡きこと夢の如く、疎林遠うして落葉紛々、疲馬頻に嘶いて悲風面をふき、大旗空しく飜つて哀涙袂を沾す。
嘗て、木曾三千の健児に擁せられて、北陸七州を巻く事席の如く、長策をふるつて天下を麾ける往年の雄姿、今はた、何処にかある。
嘗て三色旗を陣頭に飜して加能以西平軍を破ること、疾風の枯葉を払ふが如く、緋甲星兜、揚々として洛陽に入れる往年の得意、今、はた、何処にかある。