然れ共従兵既に悉く死し僅に慓悍、不敵の四郎兼平一騎を残す、兼平彼を見て愁然として云つて曰「心静に御生害候へ、兼平防矢仕りてやがて御供申すべし」と、是に於て、彼は、単騎鞭声粛々、馬首粟津の松原を指し、従容として自刃の地を求めたり。
しかも乗馬水田に陥りて再立たず、時に飛矢あり、颯然として流星の如く彼が内兜を射て鏃深く面に入る。
而して東軍の士卒遂に彼を鞍上に刺して其首級を奪ふ。
然れ共従兵既に悉く死し僅に慓悍、不敵の四郎兼平一騎を残す、兼平彼を見て愁然として云つて曰「心静に御生害候へ、兼平防矢仕りてやがて御供申すべし」と、是に於て、彼は、単騎鞭声粛々、馬首粟津の松原を指し、従容として自刃の地を求めたり。
しかも乗馬水田に陥りて再立たず、時に飛矢あり、颯然として流星の如く彼が内兜を射て鏃深く面に入る。
而して東軍の士卒遂に彼を鞍上に刺して其首級を奪ふ。