中でも黙阿弥は、「江戸桜清水清玄」で紀国屋文左衛門を書くのに、この大叔父を粉本にした。
物故してから、もう彼是五十年になるが、生前一時は今紀文と綽号された事があるから、今でも名だけは聞いてゐる人があるかも知れない。
――姓は細木、名は藤次郎、俳名は香以、俗称は山城河岸の津藤と云つた男である。
中でも黙阿弥は、「江戸桜清水清玄」で紀国屋文左衛門を書くのに、この大叔父を粉本にした。
物故してから、もう彼是五十年になるが、生前一時は今紀文と綽号された事があるから、今でも名だけは聞いてゐる人があるかも知れない。
――姓は細木、名は藤次郎、俳名は香以、俗称は山城河岸の津藤と云つた男である。