お栄はそれを見ると同時に、急に蛼の鳴く声さえしない真夜中の土蔵が怖くなって、思わず祖母の膝へ縋りついたまま、しくしく泣き出してしまいました。
が、祖母はいつもと違って、お栄の泣くのにも頓着せず、その麻利耶観音の御宮の前に坐りながら、恭しく額に十字を切って、何かお栄にわからない御祈祷をあげ始めたそうです。
それがおよそ十分あまりも続いてから、祖母は静に孫娘を抱き起すと、怖がるのを頻りになだめなだめ、自分の隣に坐らせました。
お栄はそれを見ると同時に、急に蛼の鳴く声さえしない真夜中の土蔵が怖くなって、思わず祖母の膝へ縋りついたまま、しくしく泣き出してしまいました。
が、祖母はいつもと違って、お栄の泣くのにも頓着せず、その麻利耶観音の御宮の前に坐りながら、恭しく額に十字を切って、何かお栄にわからない御祈祷をあげ始めたそうです。
それがおよそ十分あまりも続いてから、祖母は静に孫娘を抱き起すと、怖がるのを頻りになだめなだめ、自分の隣に坐らせました。