大正十年五月十六日の午後四時頃、僕の乗っていた沅江丸は長沙の桟橋へ横着けになった。
僕はその何分か前に甲板の欄干へ凭りかかったまま、だんだん左舷へ迫って来る湖南の府城を眺めていた。
高い曇天の山の前に白壁や瓦屋根を積み上げた長沙は予想以上に見すぼらしかった。
大正十年五月十六日の午後四時頃、僕の乗っていた沅江丸は長沙の桟橋へ横着けになった。
僕はその何分か前に甲板の欄干へ凭りかかったまま、だんだん左舷へ迫って来る湖南の府城を眺めていた。
高い曇天の山の前に白壁や瓦屋根を積み上げた長沙は予想以上に見すぼらしかった。