惚れてゐると云へば、惚れてゐるやうでもあるし、惚れてゐないと云へば、惚れて、――一体こんな事は考へてゐると、だんだんわからなくなるものだが、まあ一通りは惚れてゐるな。
尤もおれの事だから、いくら侍従に惚れたと云つても、眼さきまで昏んでしまひはしない。
何時かあの範実のやつと、侍従の噂をしてゐたら、憾むらくは髪が薄すぎると、聞いた風な事を云つたつけ、あんな事は一目見た時にもうちやんと気がついてゐたのだ。
惚れてゐると云へば、惚れてゐるやうでもあるし、惚れてゐないと云へば、惚れて、――一体こんな事は考へてゐると、だんだんわからなくなるものだが、まあ一通りは惚れてゐるな。
尤もおれの事だから、いくら侍従に惚れたと云つても、眼さきまで昏んでしまひはしない。
何時かあの範実のやつと、侍従の噂をしてゐたら、憾むらくは髪が薄すぎると、聞いた風な事を云つたつけ、あんな事は一目見た時にもうちやんと気がついてゐたのだ。