尤もおれの事だから、いくら侍従に惚れたと云つても、眼さきまで昏んでしまひはしない。
何時かあの範実のやつと、侍従の噂をしてゐたら、憾むらくは髪が薄すぎると、聞いた風な事を云つたつけ、あんな事は一目見た時にもうちやんと気がついてゐたのだ。
範実などと云ふ男は、篳篥こそちつとは吹けるだらうが、好色の話となつた日には、――まあ、あいつはあいつとして置け。
尤もおれの事だから、いくら侍従に惚れたと云つても、眼さきまで昏んでしまひはしない。
何時かあの範実のやつと、侍従の噂をしてゐたら、憾むらくは髪が薄すぎると、聞いた風な事を云つたつけ、あんな事は一目見た時にもうちやんと気がついてゐたのだ。
範実などと云ふ男は、篳篥こそちつとは吹けるだらうが、好色の話となつた日には、――まあ、あいつはあいつとして置け。