範実などと云ふ男は、篳篥こそちつとは吹けるだらうが、好色の話となつた日には、――まあ、あいつはあいつとして置け。
差向きおれが考へたいのは、侍従一人の事なのだから、――所でもう少し欲を云へば、顔もあれぢや寂しすぎるな。
それも寂しすぎると云ふだけなら、何処か古い画巻じみた、上品な所がある筈だが、寂しい癖に薄情らしい、妙に落着いた所があるのは、どう考へても頼もしくない。
範実などと云ふ男は、篳篥こそちつとは吹けるだらうが、好色の話となつた日には、――まあ、あいつはあいつとして置け。
差向きおれが考へたいのは、侍従一人の事なのだから、――所でもう少し欲を云へば、顔もあれぢや寂しすぎるな。
それも寂しすぎると云ふだけなら、何処か古い画巻じみた、上品な所がある筈だが、寂しい癖に薄情らしい、妙に落着いた所があるのは、どう考へても頼もしくない。