ある日のこと、いい心持に煠って、銭湯から帰って来た私が、傷だらけの、毀れかかった一閑張の机の前に、ドッカと坐った時、一人残っていた松村武が、妙な、一種の興奮した様な顔付を以て、私にこんなことを聞いたのである。
「君、この、僕の机の上に二銭銅貨をのせて置いたのは君だろう。
あれは、どこから持って来たのだ」
ある日のこと、いい心持に煠って、銭湯から帰って来た私が、傷だらけの、毀れかかった一閑張の机の前に、ドッカと坐った時、一人残っていた松村武が、妙な、一種の興奮した様な顔付を以て、私にこんなことを聞いたのである。
「君、この、僕の机の上に二銭銅貨をのせて置いたのは君だろう。
あれは、どこから持って来たのだ」