すると、松村は、抑えつけても抑えつけても、溢れて来る様な、ニタニタ笑いを顔一杯に漲らせながら、彼の口を私の耳の側まで持って来て、前よりは一層低い、あるかなきかの声で、こういったのである。
「この風呂敷包の中には、君、五万円という金が這入っているのだよ」
読者も既に想像されたであろう様に、松村武は、問題の紳士泥坊の隠して置いた五万円を、どこからか持って来たのであった。
すると、松村は、抑えつけても抑えつけても、溢れて来る様な、ニタニタ笑いを顔一杯に漲らせながら、彼の口を私の耳の側まで持って来て、前よりは一層低い、あるかなきかの声で、こういったのである。
「この風呂敷包の中には、君、五万円という金が這入っているのだよ」
読者も既に想像されたであろう様に、松村武は、問題の紳士泥坊の隠して置いた五万円を、どこからか持って来たのであった。