何という坐り心地のよさでしょう。
フックラと、硬すぎず軟かすぎぬクッションのねばり工合、態と染色を嫌って灰色の生地のまま張りつけた、鞣革の肌触り、適度の傾斜を保って、そっと背中を支えて呉れる、豊満な凭れ、デリケートな曲線を描いて、オンモリとふくれ上った、両側の肘掛け、それらの凡てが、不思議な調和を保って、渾然として「安楽」という言葉を、そのまま形に現している様に見えます。
私は、そこへ深々と身を沈め、両手で、丸々とした肘掛けを愛撫しながら、うっとりとしていました。
何という坐り心地のよさでしょう。
フックラと、硬すぎず軟かすぎぬクッションのねばり工合、態と染色を嫌って灰色の生地のまま張りつけた、鞣革の肌触り、適度の傾斜を保って、そっと背中を支えて呉れる、豊満な凭れ、デリケートな曲線を描いて、オンモリとふくれ上った、両側の肘掛け、それらの凡てが、不思議な調和を保って、渾然として「安楽」という言葉を、そのまま形に現している様に見えます。
私は、そこへ深々と身を沈め、両手で、丸々とした肘掛けを愛撫しながら、うっとりとしていました。