随って私の奇妙な恋も、時と共に相手が変って行くのを、どうすることも出来ませんでした。
そして、その数々の不思議な恋人の記憶は、普通の場合の様に、その容貌によってではなく、主として身体の恰好によって、私の心に刻みつけられているのでございます。
あるものは、仔馬の様に精悍で、すらりと引き締った肉体を持ち、あるものは、蛇の様に妖艶で、クネクネと自在に動く肉体を持ち、あるものは、ゴム鞠の様に肥え太って、脂肪と弾力に富む肉体を持ち、又あるものは、ギリシャの彫刻の様に、ガッシリと力強く、円満に発達した肉体を持って居りました。