彼の部屋には、――それは二階にあったのですが――安っぽい床の間の傍に、一間の押入がついていて、その内部は、鴨居と敷居との丁度中程に、押入れ一杯の巌丈な棚があって、上下二段に分れているのです。
彼はその下段の方に数個の行李を納め、上段には蒲団をのせることにしていましたが、一々そこから蒲団を取出して、部屋の真中へ敷く代りに、始終棚の上に寝台の様に蒲団を重ねて置いて、眠くなったらそこへ上って寝ることにしたらどうだろう。
彼はそんなことを考えたのです。
彼の部屋には、――それは二階にあったのですが――安っぽい床の間の傍に、一間の押入がついていて、その内部は、鴨居と敷居との丁度中程に、押入れ一杯の巌丈な棚があって、上下二段に分れているのです。
彼はその下段の方に数個の行李を納め、上段には蒲団をのせることにしていましたが、一々そこから蒲団を取出して、部屋の真中へ敷く代りに、始終棚の上に寝台の様に蒲団を重ねて置いて、眠くなったらそこへ上って寝ることにしたらどうだろう。
彼はそんなことを考えたのです。