そこで三郎は思わず道草を食って、その部屋を眺めたことですが、それは偶然にも、東栄館の止宿人の内で、三郎の一番虫の好かぬ、遠藤という歯科医学校卒業生で、目下はどっかの歯医者の助手を勤めている男の部屋でした。
その遠藤が、いやにのっぺりした虫唾の走る様な顔を、一層のっぺりさせて、すぐ目の下に寝ているのでした。
馬鹿に几帳面な男と見えて、部屋の中は、他のどの止宿人のそれにもまして、キチンと整頓しています。
そこで三郎は思わず道草を食って、その部屋を眺めたことですが、それは偶然にも、東栄館の止宿人の内で、三郎の一番虫の好かぬ、遠藤という歯科医学校卒業生で、目下はどっかの歯医者の助手を勤めている男の部屋でした。
その遠藤が、いやにのっぺりした虫唾の走る様な顔を、一層のっぺりさせて、すぐ目の下に寝ているのでした。
馬鹿に几帳面な男と見えて、部屋の中は、他のどの止宿人のそれにもまして、キチンと整頓しています。