節穴から薬瓶――その中にはまだ数滴の毒液が残っていたのです――を抛り落すこと、その跡の穴を塞ぐこと、万一天井裏に何かの痕跡が残っていないか、懐中電燈を点じて調べること、そして、もうこれで手落ちがないと分ると、彼は大急ぎで棟木を伝い、自分の部屋へ引返しました。
「愈々これで済んだ」
頭も身体も、妙に痺れて、何かしら物忘れでもしている様な、不安な気持を、強いて引立てる様にして、彼は押入れの中で着物を着始めました。
節穴から薬瓶――その中にはまだ数滴の毒液が残っていたのです――を抛り落すこと、その跡の穴を塞ぐこと、万一天井裏に何かの痕跡が残っていないか、懐中電燈を点じて調べること、そして、もうこれで手落ちがないと分ると、彼は大急ぎで棟木を伝い、自分の部屋へ引返しました。
「愈々これで済んだ」
頭も身体も、妙に痺れて、何かしら物忘れでもしている様な、不安な気持を、強いて引立てる様にして、彼は押入れの中で着物を着始めました。