実は私は、先程から、そこの店先を眺めていたのだ。
みすぼらしい場末の古本屋で、別段眺める程の景色でもないのだが、私には一寸特別の興味があった。
というのは、私が近頃この白梅軒で知合になった一人の妙な男があって、名前は明智小五郎というのだが、話をして見ると如何にも変り者で、それで頭がよさ相で、私の惚れ込んだことには、探偵小説好なのだが、その男の幼馴染の女が今ではこの古本屋の女房になっているという事を、この前、彼から聞いていたからだった。
実は私は、先程から、そこの店先を眺めていたのだ。
みすぼらしい場末の古本屋で、別段眺める程の景色でもないのだが、私には一寸特別の興味があった。
というのは、私が近頃この白梅軒で知合になった一人の妙な男があって、名前は明智小五郎というのだが、話をして見ると如何にも変り者で、それで頭がよさ相で、私の惚れ込んだことには、探偵小説好なのだが、その男の幼馴染の女が今ではこの古本屋の女房になっているという事を、この前、彼から聞いていたからだった。