そこに運ばれた樹木石材等は、非常な費用をかけたものではありましたが、さて、それを都に運んで売却するには、却って運賃倒れになるという様な点から、荒廃はしながらも、一木一石元の場所を換えた訳ではありません。
随って、今でも、若し諸君が旅行の不便を忍んで、M県の南端を訪れ、荒海を乗り切って沖の島に上陸なさるならば、そこに、世にも不可思議なる人工風景の跡を見出すことが出来るに相違ありません。
それは一見、非常に宏大な庭園に過ぎないのですが、ある人はそこから、何物か、途方もないある種の計画、若しくは芸術という様なものを感じないではいられぬでありましょう。