彼はもう何の躊躇する所もなく、機械人形の様に無神経に、微塵の手抜りもない正確さで、次々と彼の計画を実行して行きました。
彼は、持ち上げても持ち上げても、五本の指の間から、ズルズルとくずれ落ちて行く、菰田の死体を、一文菓子屋のお婆さんが、水の中から心太を持ち上げる様な気持で、なるべく死体を傷つけぬ様に注意しながら、やっと墓穴の外へ持ち出しました。
でも、その仕事を終った時には、死体の薄皮が、まるでくらげ製の手袋の様に、ピッタリと彼の両の掌に密着して、振り落しても、振り落しても、容易に離れ様とはしないのです。