夫の暴挙によって、菰田家の財政が危険に瀕していることも、無論気がかりでありましたけれど、彼女にしては、そんな物質上の事柄よりは、ただもう、彼女から離れて了った夫の愛情を、どうすれば取戻すことが出来るか、何故なれば、あの出来事を境にして、それまではあれ程烈しかった夫の愛情が、突然、人の変った様にさめ切って了ったのであろう。
と、それのみを、夜となく昼となく思い続けるのでありました。
「あの方が、私を御覧なさる目の中には、ぞっとする様な光が感じられる。
夫の暴挙によって、菰田家の財政が危険に瀕していることも、無論気がかりでありましたけれど、彼女にしては、そんな物質上の事柄よりは、ただもう、彼女から離れて了った夫の愛情を、どうすれば取戻すことが出来るか、何故なれば、あの出来事を境にして、それまではあれ程烈しかった夫の愛情が、突然、人の変った様にさめ切って了ったのであろう。
と、それのみを、夜となく昼となく思い続けるのでありました。
「あの方が、私を御覧なさる目の中には、ぞっとする様な光が感じられる。