といって、そこにはいささかも、醜い斧鉞の跡などが残っている訳ではありません。
そういう意味ではなくて、これを天然の風景と見る時は、余りに整い過ぎ、夾雑物がなさ過ぎるからなのです。
水には一片の塵芥も浮ばず、断崖には一茎の雑草すら生立ってはいないで、岩はまるで煉羊羹を切った様に滑かな闇色に打続き、その暗さが水に映じて、水も又漆の様に黒いのです。
といって、そこにはいささかも、醜い斧鉞の跡などが残っている訳ではありません。
そういう意味ではなくて、これを天然の風景と見る時は、余りに整い過ぎ、夾雑物がなさ過ぎるからなのです。
水には一片の塵芥も浮ばず、断崖には一茎の雑草すら生立ってはいないで、岩はまるで煉羊羹を切った様に滑かな闇色に打続き、その暗さが水に映じて、水も又漆の様に黒いのです。