でも、それが余りに静であったものですから、沼の水も気づかなかったのか、一筋の波紋を描くでもなく、鏡の様な水面は依然として微動さえもしませんでした。
十九
そして又、二人は暫くの間、太古の森の下蔭を騎行したのですが、森の深さは行くに従って極まる所を知らず、どう行けばここを出ることが出来るのか、再び最初の入口に帰るとしてもその道筋も分らぬ感じで、そうして無心の驢馬の歩むままに任せて居ることが、少なからず不安にさえ思われ始めるのでありました。
でも、それが余りに静であったものですから、沼の水も気づかなかったのか、一筋の波紋を描くでもなく、鏡の様な水面は依然として微動さえもしませんでした。
十九
そして又、二人は暫くの間、太古の森の下蔭を騎行したのですが、森の深さは行くに従って極まる所を知らず、どう行けばここを出ることが出来るのか、再び最初の入口に帰るとしてもその道筋も分らぬ感じで、そうして無心の驢馬の歩むままに任せて居ることが、少なからず不安にさえ思われ始めるのでありました。