蓮台は時として、島の中央に完成したコンクリートの大円柱の、それには一面に青い蔦が這い、その間をこれは又鉄の蔦の様な螺旋階が、ネジネジと頂上まで続いているのですが、その螺旋階をよじ昇ることもありました。
そこの頂上の奇怪な蕈形の傘の上からは、島全体を、遙かなる波打際まで一目に見渡すことが出来たのですが、その眺望の不可思議を何に例えたらよいのでしょう。
下界でのあらゆる風景は、螺旋階を昇ると共に消え去って、花園も池も森も人も、ただ見る幾重畳の大岩壁と変り、頂上からは、それらの紅がら色の岩壁が丁度一輪の花の各々の花瓣の形で、遙かの波打際まで重なり合って見えるのです。