薄暗いのと、湯気の為に、一間と離れぬ相手の白い身体さえ、はっきりとは見えぬ程だから、お互に、さしておかしくも、羞しくも感じなかった。
聞えるものは、雨の為に水嵩を増した、谷川の音ばかり。
母屋とは遠く隔たっているし、浴場の構造が、自然の岩をそのまま使ってあったりするので、人外の境に、生れたままの男女が、たった二人、ポツンと向き合っている感じであった。
薄暗いのと、湯気の為に、一間と離れぬ相手の白い身体さえ、はっきりとは見えぬ程だから、お互に、さしておかしくも、羞しくも感じなかった。
聞えるものは、雨の為に水嵩を増した、谷川の音ばかり。
母屋とは遠く隔たっているし、浴場の構造が、自然の岩をそのまま使ってあったりするので、人外の境に、生れたままの男女が、たった二人、ポツンと向き合っている感じであった。