ただ一つ、書き漏らしてならぬのは、明智が「先刻停電があったか」とたずねたのに対して、倭文子も召使達も、「一度も電燈は消えなかった」と答えたことだ。
即ち、さっき二階の書斎が暗くなったのは、停電ではなくて、何者かがあの部屋のスイッチをひねったものに相違ない。
食事が終ると、一同客間に帰って、夫々居心地のよさそうな椅子に、身を休めて、ポツリポツリ、引立たぬ会話を取交わしていたが、そこへ書生が入って来て、明智さんに電話だと告げた。
ただ一つ、書き漏らしてならぬのは、明智が「先刻停電があったか」とたずねたのに対して、倭文子も召使達も、「一度も電燈は消えなかった」と答えたことだ。
即ち、さっき二階の書斎が暗くなったのは、停電ではなくて、何者かがあの部屋のスイッチをひねったものに相違ない。
食事が終ると、一同客間に帰って、夫々居心地のよさそうな椅子に、身を休めて、ポツリポツリ、引立たぬ会話を取交わしていたが、そこへ書生が入って来て、明智さんに電話だと告げた。