倭文子は、自室の隅っこで、渋面を作った茂少年を、抱きかかえて、ブルブル震えていたので、一同、まさか彼女が逃亡するとは思わず、つい目を離して、現場調査や召使の訊問を続けていた。
ところが、調べが終って、いざ拘引しようと、その部屋へ引返して見ると、倭文子と茂少年の姿がない。
邸中隈なく探し廻っても、どこにも見えぬ。
倭文子は、自室の隅っこで、渋面を作った茂少年を、抱きかかえて、ブルブル震えていたので、一同、まさか彼女が逃亡するとは思わず、つい目を離して、現場調査や召使の訊問を続けていた。
ところが、調べが終って、いざ拘引しようと、その部屋へ引返して見ると、倭文子と茂少年の姿がない。
邸中隈なく探し廻っても、どこにも見えぬ。