倭文子は、兄の一生涯でたった一人の、世界中のどんな宝にも換難い恋人でした。
その恋人が、まるで古草履でも捨てるように、兄をふり捨てて、つばをはきかけて、相手もあろうに、二十も年上の、醜男の、詐欺師に、みずから進んでとついで行ったのです。
兄はある日僕の知らぬ間に、毒薬を飲んだのです。
倭文子は、兄の一生涯でたった一人の、世界中のどんな宝にも換難い恋人でした。
その恋人が、まるで古草履でも捨てるように、兄をふり捨てて、つばをはきかけて、相手もあろうに、二十も年上の、醜男の、詐欺師に、みずから進んでとついで行ったのです。
兄はある日僕の知らぬ間に、毒薬を飲んだのです。