江戸川乱歩 『吸血鬼』 倭文子は、せめて茂の命だけ助けてくれと、手を合わせて頼んだが、おれは聞えぬふりをしていた。 それから、奇妙な製氷作業が始まったのだ。 おれは、この池の縁にしゃがんで、水中の亜鉛箱の中から、かすかに漏れて来る、憎い女の、断末魔の苦悶の声に聞入った。 江戸川乱歩の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア