そんな所を見ても、妙子さんが、世間知らずのねんねえではなくて、大家育ちの云うに云われぬしとやかさの内に、どこか凜とした物を持っていることが分るのだが。
で、そんな日が続く内に、明智は子供等の縁でその親達とも親しみを加えて行ったが、分けても玉村妙子さんとは、双方から不思議に引寄せられる感じで、食堂でテーブルを同じにしたり、お茶に呼び合ったりするばかりでなく、はては、そっと婆やの目を盗んで、彼等丈けで、湖水に舟を浮べる程の親しい間柄になってしまった。
そんな時、彼等は極って、ホテルからは見えぬ、湖水の入江になった所へボートを漕いで行った。