先の波越警部の言葉にもあった通り、福田得二郎氏は玉村宝石王の実弟で、彼も亦相当の資産を擁し、諸方の会社の株主となって、その配当丈けで、充分贅沢な暮しを立てている、謂わば一種の遊民であった。
彼は玉村家から福田家へ養子に貰われて行ったのだが、養父母を見送り、妻も昨年世を去って子供もなく、現在は本当の一人ぽっちであった。
一種風変りな性質の彼は、その孤独を結句喜んで、後妻を迎えようともせず、数人の召使と共に、広い洋風邸宅に、滅入った様な陰気な日々を送っていた。
先の波越警部の言葉にもあった通り、福田得二郎氏は玉村宝石王の実弟で、彼も亦相当の資産を擁し、諸方の会社の株主となって、その配当丈けで、充分贅沢な暮しを立てている、謂わば一種の遊民であった。
彼は玉村家から福田家へ養子に貰われて行ったのだが、養父母を見送り、妻も昨年世を去って子供もなく、現在は本当の一人ぽっちであった。
一種風変りな性質の彼は、その孤独を結句喜んで、後妻を迎えようともせず、数人の召使と共に、広い洋風邸宅に、滅入った様な陰気な日々を送っていた。