いや真赤な猫なんてある筈はない。
実は福田氏が飼っている、純白の雄猫なのだが、それが全身に血潮をあびて、物凄い赤猫と化けてしまったのだ。
不気味な動物は、扉の破目から廊下に飛出すと、二三度ブルッと血震いをして(その度毎に赤インキの様な鮮血が、壁の腰板に生々しくはねかかった)人々に向って、恐ろしい形相で、真赤な背中をムクムクと高くした。
いや真赤な猫なんてある筈はない。
実は福田氏が飼っている、純白の雄猫なのだが、それが全身に血潮をあびて、物凄い赤猫と化けてしまったのだ。
不気味な動物は、扉の破目から廊下に飛出すと、二三度ブルッと血震いをして(その度毎に赤インキの様な鮮血が、壁の腰板に生々しくはねかかった)人々に向って、恐ろしい形相で、真赤な背中をムクムクと高くした。