肌寒い秋の大川は、夏期の遊山ボートは影を消して、真に必要な荷船ばかりが、橋から橋の間に一二艘程の割合で、淋しく行来している外には、時たま名物の乗合蒸汽がコットンコットンと物憂い響を立てて、静かな水面に浪のうねりを残しつつ行くばかりだ。
白髥橋を徒歩で往来する人は、よくよく急ぎの用でもない限り、妙なもので、一度は立止って欄干に凭れて、じっと川面を見下している。
夏の外は、涼みの為とは云えぬ。
肌寒い秋の大川は、夏期の遊山ボートは影を消して、真に必要な荷船ばかりが、橋から橋の間に一二艘程の割合で、淋しく行来している外には、時たま名物の乗合蒸汽がコットンコットンと物憂い響を立てて、静かな水面に浪のうねりを残しつつ行くばかりだ。
白髥橋を徒歩で往来する人は、よくよく急ぎの用でもない限り、妙なもので、一度は立止って欄干に凭れて、じっと川面を見下している。
夏の外は、涼みの為とは云えぬ。