当時彼は煙草屋か何かの二階借りをしていて、その四畳半の狭い部屋に、書物の山を築き、書物に埋って寝起きしていたのだが、彼の書物好きは今でも変らず、「開化アパート」の書斎にも、外遊の間、友人に預けて置いた蔵書を取寄せ、四方の壁を隙間もなく棚にして、内外雑多の書籍を、ビッシリ並べている。
いや、棚ばかりではない。
例の調子で、デスクの上にも、安楽椅子の肘掛けにも、電気スタンドの台の上にも敷きつめた絨毯の床の上にさえ、ふせたのや、開いたのや、様々の書物を、まるで引越しの様に散らかしているのだ。
当時彼は煙草屋か何かの二階借りをしていて、その四畳半の狭い部屋に、書物の山を築き、書物に埋って寝起きしていたのだが、彼の書物好きは今でも変らず、「開化アパート」の書斎にも、外遊の間、友人に預けて置いた蔵書を取寄せ、四方の壁を隙間もなく棚にして、内外雑多の書籍を、ビッシリ並べている。
いや、棚ばかりではない。
例の調子で、デスクの上にも、安楽椅子の肘掛けにも、電気スタンドの台の上にも敷きつめた絨毯の床の上にさえ、ふせたのや、開いたのや、様々の書物を、まるで引越しの様に散らかしているのだ。