文代は泣かんばかりに云うのだ。
娘が父を捕えてくれとは、よくよくのことである。
聞いて見ると、文代は隅田川の川口に碇泊している、例の怪汽艇の一室にとじこめられていたのだが、次の室で賊の部下達が話しているのを聞いて、小石川の旗本屋敷の陰謀を知り(彼女は前章に記した賊の悪企みを、手短かに語った)非常な苦心をして汽艇を抜け出し、タクシーを飛ばして明智の住いへかけつけたというのだ。
文代は泣かんばかりに云うのだ。
娘が父を捕えてくれとは、よくよくのことである。
聞いて見ると、文代は隅田川の川口に碇泊している、例の怪汽艇の一室にとじこめられていたのだが、次の室で賊の部下達が話しているのを聞いて、小石川の旗本屋敷の陰謀を知り(彼女は前章に記した賊の悪企みを、手短かに語った)非常な苦心をして汽艇を抜け出し、タクシーを飛ばして明智の住いへかけつけたというのだ。