まだ家族のものは、床を離れぬ早朝であったので、一同その声にハッと眼を覚したが、久しく忘れていた、いまわしい記憶が、ふと心の隅に甦って来た。
「又か」「又なにか恐ろしい事件が起ったのではないか」父も子もゾッと肌寒く感じないではいられなかった。
かけつけて見ると、妙子さんは、白いベッドの上に半身を起して、開ける丈け開いた目で、キョロキョロとあたりを見廻していた。
まだ家族のものは、床を離れぬ早朝であったので、一同その声にハッと眼を覚したが、久しく忘れていた、いまわしい記憶が、ふと心の隅に甦って来た。
「又か」「又なにか恐ろしい事件が起ったのではないか」父も子もゾッと肌寒く感じないではいられなかった。
かけつけて見ると、妙子さんは、白いベッドの上に半身を起して、開ける丈け開いた目で、キョロキョロとあたりを見廻していた。