英国の紳士は学ばざるべからざるほど、結構な性格を具へたる模範人物の集合体なるやも知るべからず。
去れど余の如き東洋流に青年の時期を経過せるものが、余よりも年少なる英国紳士についてその一挙一動を学ぶ事は骨格の出来上りたる大人が急に角兵衛獅子の巧妙なる技術を学ばんとあせるが如く、如何に感服し、如何に崇拝し、如何に欣慕して、三度の食事を二度に減ずるの苦痛を敢てするの覚悟を定むるも遂に不可能の事に属す。
これを聞く彼らは午前に一、二時間の講義に出席し、昼食後は戸外の運動に二、三時を消し、茶の刻限には相互を訪問し、夕食にはコレヂに行きて大衆と会食すと。