春のことでしたから、気候はちっとも寒くないのですが、そうして、まるで死にたえたような夜の町を歩いていますと、なんとなく首すじのところが、ゾクゾクとうそ寒く感じられます。
一つのまがりかどをまがって、ヒョイと前を見ますと、二十メートルほど向こうの街燈の下を、黒い人影が歩いていきます。
それが、おかしなことには、帽子もかぶらず、着物も着ていない。
春のことでしたから、気候はちっとも寒くないのですが、そうして、まるで死にたえたような夜の町を歩いていますと、なんとなく首すじのところが、ゾクゾクとうそ寒く感じられます。
一つのまがりかどをまがって、ヒョイと前を見ますと、二十メートルほど向こうの街燈の下を、黒い人影が歩いていきます。
それが、おかしなことには、帽子もかぶらず、着物も着ていない。