おまえも知っているように、この宝石は、一昨年、中国へ行った時、上海である外国人から買いとったものだが、その値段がひどくやすかった。
時価の十分の一にもたらない、五万七千円という値段であった。
わたしは、たいへんなほりだしものをしたと思って、喜んでいたのだが、あとになって、別のある外国人がソッとわたしに教えてくれたところによると、この石には、みょうないんねん話があって、その事情を知っているものは、だれも買おうとしないものだったから、それで、こんなやすい値段で、手ばなすことになったのだろうというのだ。