ふたりの説明を聞くまでもなく、もう読者諸君にはおわかりでしょうが、今井君が、主人のいいつけで自動車を呼びに行き、気心の知れた運転手をえらんで、同乗して篠崎家へひっかえす途中、この養源寺の門前にさしかかると、とつぜんふたりの覆面をした怪漢に呼びとめられ、ピストルをつきつけられて、有無をいわせず、しばりあげられてしまったというのです。
そして、その怪漢のひとりが、今井君の洋服をはぎとって、今井君に変装をして、ふたりは、うばいとった自動車にとびのると、そのまま運転をして、どこかへ走りさってしまったのだそうです。
団員たちは、ふたりのおとなといっしょに、ただちに篠崎家にかけつけ、事のしだいを報告しました。